【一条工務店の標準エアコン】RAYエアコンは採用すべきか？

一条工務店の新築住宅の標準エアコンのRAYエアコンは、床暖房の熱源をエアコンの室外機としても利用する特殊なタイプのものです。

一条工務店はハウスメーカーで唯一の全館床暖房を採用しているため、室外機が1個で済む特殊なエアコンが標準となっています。

しかし、この標準エアコンを採用すべきか否かについては意見がわかれています。

記事の執筆者

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一条工務店の標準エアコン｜RAYエアコンとは

一条工務店の標準エアコンであるRAYエアコンは長府製作所が制作している温水熱源機付エアコンです。

定価は￥606,100（税込）となっており、これが標準なので無料で付いてきます。

基本スペックは次の通りです。

エアコン	広さのめやす	能力(kW)	消費電力(W)
冷房	11～17畳	4.0（0.7～4.5）	965（200～1,580）
暖房	13～17畳	6.0（0.6～8.3）	1,615（185～2,690）

について、新築住宅の冷暖房方式やエアコンの使い方・機能の面から解説します。

温水熱源付きエアコン

RAYエアコンの特徴は温水熱源式エアコンです。

温水熱源式とは、温水熱源機を室外機として利用する方式を指します。

一条工務店は全館床暖房が設置され、その際にヒートポンプ式温水熱源機(長府製作所製)で水を温めて、そのお湯を家の隅々に敷設された配管に循環させることによって家を暖めます。

標準のRAYエアコンは、冷房用にこのヒートポンプ式温水熱源機を室外機として使用します。

長府製作所製のヒートポンプ式温水熱源機は、床暖房とRAYエアコンの両方に繋げられるところが、他とは異なる特殊なところと言えます。

RAYエアコンの除湿機能｜再熱除湿機能がない

エアコンは様々な方法で空調を行いますが、除湿機能はエアコンが有する主要な機能の一つです。

エアコンの除湿機能には、「再熱除湿」と「弱冷房除湿」の2種類があります。

機能	概要	メリット	デメリット
再熱除湿	エアコン内部で除湿した空気を再度室温まで温めてから室内に送り込む方式	除湿で空気の温度が下がらないので、寒さを感じにくい	電気代が少し高くなる
弱冷房除湿	除湿して温度が下がった空気を再度温めることなく室内に送る方式です	除湿で温度が下がるため、寒さを感じやすい	電気代が少し安くなる

エアコンの除湿方式については、ユーザーにより好みはありますが、再熱除湿方式を好むユーザーには、その機能が付いていないRAYエアコンは評判がよくないようです。

RAYエアコンの使い道

一条工務店の標準仕様の冷暖房の使い方としては、暖房時は、ヒートポンプ式温水熱源機を熱源として、冷房時は、それを室外機として使用します。

一条工務店の冷房では、標準で付いてくるRAYエアコンのほかに、オプションである「さらぽか空調」があります。

さらぽか空調を使用すれば、ヒートポンプ式温水熱源機を室外機として使用できないので、RAYエアコンは使えません。

オプションのさらぽか空調を付けた場合、標準で付いてくるRAYエアコンを使う機会はなかなかありません。

敢えて言えば、エアコンの冷気を得たい時に、さらぽか空調を切ってRAYエアコンを運転するという使い方です。

しかし、このような使い方は、冷房用にオプションのさらぽか空調を付けた意味がなくなるので現実的ではありません。

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一条工務店の標準エアコンのメリットとデメリット

一条工務店の標準エアコンであるRAYエアコンのメリットおよびデメリットを紹介します。

メリット

・エアコンが無料で設置できる

一条工務店で新築すると、標準でRAYエアコンが1台ついてくるのでお得です。1台ですが、11～17畳用の高機能エアコンなので、エアコンを設置した部屋のみならずその周辺もカバーできます。

・暖房の熱源とエアコンの室外機が兼用なので1台ですむ

一条工務店の標準暖房は、全館床暖房です。通常、暖房の熱源と冷房の室外機は別々ですが、一条工務店の標準暖房では、ヒートポンプ式温水熱源機がエアコンの室外機と兼用ですので、これ1台ですみます。

デメリット

・特殊なエアコンなので修理費・交換費が高くなる

RAYエアコンは、ヒートポンプ式温水熱源機を室外機として使用する特殊なエアコンです。

そのため、扱える業者が少なく、壊れた際の修理費や部品交換費が高くなる傾向があります。

RAYエアコンは定価が約60万円もするため、修理費は当然高くなることが予想されます。

・さらぽか空調とRAYエアコンの併用はできない

一条工務店のオプションである「さらぽか空調」を付けた場合、ヒートポンプ式温水熱源機は、さらぽか空調の熱源かRAYエアコンの室外機かどちらかとしてしか使用できません。さらぽか空調とRAYエアコンの同時使用はできないので、RAYエアコンが無用になる可能性があります。

・故障やトラブルが多い

RAYエアコンは、暖房の熱源を室外機として使用する特殊なタイプのものです。

しかし、見た目は一般のエアコンと変わりないため、RAYエアコンの経験が無い業者でもクリーニングを引き受けてしまうケースがあります。

その場合には、故障やトラブルになるケースも多いので、クリーニング等を業者にしてもらう際には注意が必要です。

・使用頻度によっては室外機が壊れやすい

床暖房とRAYエアコンは室外機が共通です。

室外機は使用期間や使用量が多くなれば故障や不具合が発生します。

冬は床暖房は基本付けっぱなしです。

夏場もRAYエアコンをつけるとすると1年中稼働することになり、不具合や故障が発生しやすくなるでしょう。

標準エアコンを導入しない場合の代替エアコンについて

一条工務店の標準エアコンは、メリットとデメリットがあります。

しかし、標準エアコンは必ず採用しなければいけない訳ではないので、採用せずに別のメーカーのエアコンを採用する方法もあります。

なお、標準エアコンを設置しない場合、4万円が建築費から差し引かれます。

一条工務店では、カタログで、三菱とダイキンとパナソニックの3社のエアコンを用意しています。

三菱

ラインアップ	特徴
GVシリーズ	●基本機能と品質にこだわったスタンダードモデル ●仕様は、6畳用、8畳用、10畳用、12畳用、14畳用、18畳用の6種類 ●除湿の強さは、お好みにあわせて、弱・標準・強の３つの強さが選べます。 ●室外機の温度が上がると、エアコンは機器保護のため運転を停止させますが、本機は、酷暑の環境を再現したテストを繰り返し行った結果、屋外温度が46℃になっても運転が止まりません。 ●暖房時の霜取りのときも、プレヒートで室温低下を抑制して室温をキープ ●熱交換器は、有機系の親水性コートを施すことで、油等の汚れを付着しにくくし、ドレン水で洗浄するから清潔
JXVシリーズ	●暮らしにうれしい充実機能が搭載されたハイスペックモデル ●仕様は、6畳用、8畳用、10畳用、12畳用、14畳用、18畳用、20畳用、23畳用の8種類 ●赤外線センサーが、室内にいる人を感知し、体感温度にあわせて冷房と爽風を自動で切り替えます。 ●フラップが左右独立しているので、センサーが2か所に人を感知すれば、2か所同時に空調がなされます。 ●再熱除湿で、室温が下がりません。

ダイキン

ラインアップ	特徴
Eシリーズ	●高さ・奥行きを抑え、狭いスペースにフィットするコンパクトサイズの室内機を採用したスタンダードモデル ●仕様は、6畳用、8畳用、10畳用、12畳用、14畳用、18畳用の6種類 ●冷房運転で発生させた結露水を利用して熱交換器の汚れを洗浄 ●「暑すぎ」「寒すぎ」を検知して自動で冷房・暖房運転を行うので、お子様やお年寄りのいるお部屋におすすめ
CXシリーズ	●高さ・奥行きを抑え、狭いスペースにフィットするコンパクトサイズの室内機を採用しており、機内洗浄などクリーン機能も充実 ●仕様は、6畳用、8畳用、10畳用、12畳用、14畳用、18畳用、20畳用、23畳用の8種類 ●冷房運転で発生させた結露水を利用して熱交換器の汚れを洗浄 ●「暑すぎ」「寒すぎ」を検知して自動で冷房・暖房運転を行うので、お子様やお年寄りのいるお部屋におすすめ
AXシリーズ	●仕様は、6畳用、8畳用、10畳用、12畳用、14畳用、18畳用、20畳用、23畳用、26畳、29畳の10種類 ●室内が設定温度・湿度に到達し安定すると消費電力を抑えて運転する節電自動運転、AIが好みの運転を記憶学習し快適な自動運転を行うAI快適自動運転、の2つの自動運転 ●季節やシーンに合わせて除湿能力を細かく制御し、肌寒さを抑えて快適な除湿を行いう「さらら除湿」、湿度・温度をコントロールして室温安定後も蒸し暑さを感じにくい冷房運転を続ける「プレミアム冷房」 ●夏は、全体にすばやく冷気をまわすサーキュレーション気流で心地良く、冬は、壁から足元へ床にそって暖気が広がる快適気流で暖かい。 ●冷房運転で発生させた結露水を利用して熱交換器の汚れを洗浄

パナソニック

ラインアップ	特徴
Fシリーズ	●パナソニックエアコンのスタンダードモデル ●仕様は、6畳用、8畳用、10畳用、12畳用、14畳用、18畳用の6種類 ●始めは冷房、室温が設定温度に近づくと、弱く冷やしながら除湿する冷房除湿モードで快適 ●エアコン内部の熱交換器は、親水コーティング自動洗浄（冷房・除湿運転時）により、手間なく清潔に保たれます。 ●外気温50℃でも冷房の効きが悪くなったりせず、涼しさをキープして快適に過ごせる猛暑に強い室外機。
GXシリーズ	●仕様は、6畳用、8畳用、10畳用、12畳用、14畳用、18畳用、20畳用の7種類 ●AI自動モードで、人の在・不在や日射、お部屋の状況などを検知して、 より快適になるように運転を最適化します。 ●清潔イオン・ナノイーX を搭載しているので、さまざまな有害物質に対する抑制効果により お部屋の空気もエアコン内部も清潔に保たれます。 ●累積24時間以上運転後に、自動でフィルターを掃除するフィルターお掃除ロボットを搭載。(ホコリや油汚れが多い環境等で使用する時は、取り外しての水洗いが推奨されます。)

まとめ

一条工務店の新築住宅の冷暖房は、標準で、暖房は全館床暖房が、冷房は通称RAYエアコンが付いてきます。

このRAYエアコンは、暖房の熱源を室外機としても使用する特殊なタイプのものです。

そのため、暖房とRAYエアコンを同時に使うことはできません。

また、一条工務店には、オプションで「さらぽか空調」という床暖房の配管に水を流す冷房がありますが、これとRAYエアコンの同時使用もできません。

一般に。エアコンには除湿機能があり、それには、再熱除湿と弱冷房除湿の2方式があります。

再熱除湿は、除湿後の温度が下がった空気を再度温めてから室内に放出する方式で、除湿により室温が下がることはありません。

弱冷房除湿は除湿した空気を温めずに放出するので、除湿により室温が下がります。RAYエアコンは、弱冷房除湿方式なので、再熱除湿を好む方には評判が良くありません。

一条工務店では、オプションで、三菱、ダイキン、パナソニックのエアコンが用意されています。RAYエアコンを望まない方は、その中から選んだり、自分で調達したりできます。

メリットとデメリットを勘案したうえで後悔のないようにエアコンを選びたいですね。

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